仕事
 
          
みなさんは幼い頃、どんな夢を抱いていましたか?
mは小学六年生の時の卒業クラス集に将来のゆめを「大人しい大人になりたい」と記しています。
その頃おきゃんな性格すぎて「おとなしくなりたい、おちついた子になりたい」と自分でも感じていたことを覚えています。でもその反面、人の自分勝手さや理不尽さがどうしても好きになれず、大人に生意気な意見を言うような子でした。

そしてmも40代になり、子どもの頃に描いていたような器の大きな「大人」になれているかというと・・・残念!なれていません。

そこで、器の大きな人はどんな力をもっているのでしょう。どういう力を発揮して仕事をするのか見つめてみたいと思います。

さまざまな力の中から今回は「社会人基礎力」というのを取り上げてみます。
「社会人基礎力」とは平成18年、経済産業省が「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を3つの能力(12の能力要素)として定義づけしたものです。
http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.htm
 
前に踏み出す力(アクション)
一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力。
「主体性」〜物事に進んで取り組む力
「働きかけ力」〜他人に働きかけ巻き込む力
「実行力」〜目的を設定し確実に行動する力

失敗しても粘り強く取り組む事はたいせつだけど、とにかく突き進むばかりなのは、どうかなと思います。振り返りは必要ですよね。

 
考え抜く力(シンキング)
疑問を持ち、考え抜く力
「課題発見力」〜現状を分析し目的や課題を明らかにする力
「計画力」〜課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
「創造力」〜新しい価値を生み出す力

セミナーやワークショップをやっていて援助者と関わる時「最初から答えがある」と思い込んで受け身でいる人が多いと感じます。そういうふうに教えられてきたんでしょうね。だからmは、「なんでそうなんですか!?」って反抗的に突っかかってくる援助者、けっこう好きです。
自分の頭で考えて「なんだろう?」って明らかにしていくことはとても重要だと思います。
 
チームで働く力(チームワーク)
多様な人々とともに、目標に向けて協力する力
「発信力」〜自分の意見をわかりやすく伝える力
「傾聴力」〜相手の意見を丁寧に聴く力
「柔軟性」〜意見の違いや立場の違いを理解する力
「情況把握力」〜自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
「規律性」〜社会のルールや人との約束を守る力
「ストレスコントロール力」〜ストレスの発生源に対応する力


つまりは関係づくり、コミュニケーション力でしょうか。自分の事も他者についてもある程度、客観的に観られることが必要そうです。そして「人との適度な距離感」を知っていること。
友人の中で思い当たる人がいるけれど、改めてすごい力を持っているんだと感じました。
 
理想と現実の折り合いをつける
上記の内容は確かに「そうだよね〜」「あるといいんだろうな」という理想的なものばかり。
また、3つの力はそれぞれのバランスが必要なのかもしれません。

さて・・・自分には難しい、無理だと感じた項目があなたにはありませんでしたか?
それでも自分に足りない事をがんばるぞ!って前向きになれていれば、すばらしい!それはそのまま進んでください。
けれども、とてもそんな気にはなれず逆にへこんでしまったあなた、すぐにいい訳を考えてしまったあなたは、見なかった事にするのではなくて、ちゃんと自分を知っておくことが大切だと思うのです。
誰にでも得意な事とそうではない苦手な事があるはず。
mの場合、自分の残念な部分に目をそらしたり、開き直っていた頃は、どうしても自分を変える事ができませんでした。
ある時、そのまま、そういう部分が苦手なんだと分かって認めることを心がけました。
そして誰か得意な人にヘルプする練習を今もしています。「困ってる」って素直に言える力、他者にきちんとお願いする力、重要だと思います。
また、少し余裕があれば「あの人うまいなぁ」というお手本を見つけてマネをしてみるといいかもしれません。
 
今回はm自身のお仕事の話しです。

こころ工房では、
◆コミュニケーションについてのサポート(活動や経験を増やし発信力を育てるための実支援)
◆エイドを使った援助方法についてしゃべる、文章を書く
◆セミナー&ワークショップの企画
◆エイドをお買い求めいただく
という内容のことが仕事となってきました。

そんな仕事は、人とのかかわりを外すことができません。特に実支援では、本人が「何かをみつける」サポートが主ですが、家族や教師、セラピストなど周りをとりまく人々への支援も必要不可欠と感じて活動しています。

実際に人の心に触れるお仕事は、知識や技術だけではなんともならず、頭でっかちになると必ず壁にぶち当たります。人間的に十分成長できれば良いのですが、欠点もたくさんあって、まだまだなのが現実なのです。


そこで、気をつけたり工夫していることの一番は、実は「自分の心のありよう」です。
どういう事かというと・・・



 
気持ちのすれ違い、そのままにしていませんか?
人の気持ちは、そうそう解るものではないです。
多くの場合、自分の思い込みや想定内でなんとか相手を理解しようとします。これはまだ良い方で、例えば日常生活では(相手がどんな想いをするかおかまいなしに)愚痴ばかり話したり、自分の言いたい事ばかり話しているのは相手のことを完全にみてない訳で、聞いている方はきっとうんざりしています。
そんな時、ウンウンって聞き流すだけなのは、毎回になるとなんだかだんだん違和感を感じてきます。(一方通行で自分と向き合ってくれていないような印象を受けるのだと思います)

mはこの仕事をはじめてからしばらくして、こういう気持ちのすれ違いをできるだけ少なくしようと決心しました。

「気持ちのすれ違いコミュニケーション」を日常的にやっていると、それが実支援に出てしまうのです。うまくごまかしてもダメで、そういう時は外見的には一見うまくいっているようで、実は心の部分でうまくいっていない(相手の心の自立や能動性を抑えている)という別のものになっていました。

気持ちのすれ違いを減らすためにはどうしたらいいのかを考えた末、いつもの暮らしの中から相手を受け入れ、そして自分を伝える・・心を通わす相互的コミュニケーションをめざすようになりました。

具体的には、日々の暮らしの中で相手の気持ちを「例えば?」とか「どう感じてる?」「それってこういうこと?」って確認するようにしています。(自分の思い込みだけで理解しないようにするためです)
それから「あなたはどうしたいの?」ってたずねること、必要であれば違いを恐れず「私はこうしたい」と素直に伝えることも必要です。

気持ちのキャッチボールは簡単ではないけれど、意識しているだけで、自分だけでなく相手もだんだんと上達しているように思えます。

 
自分だけの何かを見つける場所
「何か」は人それぞれです。
不思議な事だけど、ある存在や出来事、誰かに出会うことで自分の大切な「何か」を見つけます。
それは自分でも気づいていなかった「私」。
人の「心」の成長にとって、障がいの有無に関係なく重要なことです。

最近おもうことは、「人は影響をあたえ合っていることを忘れないようにしよう」です。
特に見過ごしがちな「自分が与えている影響」については、難しいのですが外すことはできません。

人をサポートする事、育てる事、教える事などをやっていると、だんだん相手のことばかりあれこれ考えるようになっていきます。でも、自分がどんな刺激を投げかけて影響を与えているかについてはわかっていた方が良いことの1つです。
考え方、行動、視点もふくめて自分のことを整理して見つめておこうと思っています。


 
飛躍のきっかけは、「うまくいかない時」
セミナーや講習会ではどんなスピーカーも成功事例を多く語ります。そういう私も・・・成功ばかりしているわけでないのに、多いですね。
でもよくよく振り返ると、援助者としての成長も、サポートをしている子どもの育ちも「うまくいかない時」の後にグンと伸びることが多いのです。

しかし「うまくいかない」という場面は誰もが経験したくないわけで、最悪な状況では子どもの「負の学習」(学習意欲を無くしたり、パニックやこだわりの原因)となりかねません。
ここで大切なことは、関わり手が状況の要因、原因を推測できるかどうかという事なのだと思います。
プロは、うまくいった時も、そうでない時も、なぜそうなったのかを多方向から推察できます。
だから、むやみに「うまくいかない」ことを何回も繰り返すことはないし、関わり手の力技でごまかすこともしません。
子どもの反応そのものを受け入れ、それに応じて対処するから成長していくのだと思います。
失敗するのが恐いから出来ないという援助者もいるけれど、それはそれで受け入れていかないと支援の技術は伸びないと思います。でもむやみにやればいい訳ではなく、実支援についてはスーパーバイズを受けるのが一番良いように感じています。

 
醍醐味を感じる
人を相手にしていると、正直、楽しいことばかりではありません。

でも、いつも感じることは「人ってスゴイ」ということ。
どんなに重い障がいがあっても、困難な状況にあっても、誰の中にも希望というか「喜び」のようなあたたかいものに触れられるときがあります。
もちろん哀しみや怒りもあり、人としてのズルさもきちんとあります。

そういう目に見えないものに出会った時、心から感動している自分がいました。仕事を続けるコツは、こういう醍醐味に出会う期待感かもしれません。
 
小さなムリやドジが積み重なると、だんだん気分も落ち込んでしまいます。できるだけラクに取り組めれば、能率も気持ちもアップしますね。
ちょっと便利なグッズをどんどん活用して、たのしくお仕事しましょう♪
 
肩を壊しているあなたへ
IKEA 「ラップトップサポート」
1990円
http://www.ikea.com/jp/ja/catalog/products/60176063

肩を壊してしまうと、いつものデスクでコンピュータ操作等が辛いもの。ノートPCをお使いならこれは便利です。
似たものをいろいろ探しましたが、デザイン、お値段がいいなぁ!と決めました。手紙や記録表などちょっとした書き物の時も愛用しています。
 
「あれ〜!?」が無くなります
雨降りの日。外出先で他人の傘を間違えて持って帰ってしまうこと、自分の傘が見つからなくて苦労したことはありませんか?
無印良品の傘は持ち手の先に穴が開いています。これが以外と便利なのです。マスコットやリボンなど自分なりの目印をつければ、傘立てにたくさん並んだ中からも見つけやすくなります。

無印良品
「しるしの付けられる傘」
http://www.muji.net/store/cmdty/search
 
大事なことや次のスケジュールをメッセージでお知らせ
ボイスキュー:14,700円
(こころ工房で取り扱っております。詳細はお問い合わせください)
あらかじめ時間とメッセージを登録しておくと音声でナビゲーションしてくれる道具です。例えば12時半に「お薬の時間です」/帰宅5時半に「帰りの時間です。バス停に行ってバスを待ちましょう」/「集合の時間です。△△に行きましょう」など。
 
休憩も大切
お昼などの休憩時間、あなたはちゃんと休めてますか?
アイピロー(目のまくら)を使うと短時間でぐっすり眠れ、疲れた目を休めることができます。
アロマの香りをつけられるものや麦飯石を中に入れたものなどいろいろあります。
1つ難点は、寝相の悪い人はそのうち気づいたらアイピローが落ちてしまっていること(笑)かな(^_^;)
 
■記憶を助けてくれる便利グッズ■
ちょっとしたことなのだけど、苦手だったり、不便さを感じていることがありませんか?
少し工夫することで、焦ったり、心理的ストレスやプレッシャーから楽になることがあります。
 
□計算をする時に活躍する■関数電卓■
足したり、引いたり、かけ算や割り算、暗算が苦手な人はどんな工夫をしていますか?電卓を使っている人は多いかと思います。しかし、その電卓でも数の桁数が増えたり、計算数が増えると難しいという方はいませんか?たとえば、入力する最中にうっかりどこまで入力したか分からなくなったり、足したりかけたりを繰り返しているうちに「+」「×」どっちを押したか忘れてしまったりして、困ってしまうことありませんか?そんな方には、関数電卓が便利だと思います。
 
□入力した数式が表示されているんです□
これは、SHARPのEL-509Eです。電卓売り場に行くと、何種類かありますので、機能や価格や本体のサイズなどをみて購入されることをおすすめします。

(みわこの体験より) 数字を聞いたり見たりして、短期で記憶すること。そしてそれを口答や書くことで再生することが、私はとても苦手です。工学系の友人が持っている関数電卓を初めて見たとき、これは便利!!と感動しました。それまで普通に電卓を使う時でも苦手意識もあって、ドキドキしながら使っていました。関数電卓だと入力した数字や「+」「−」を視覚的に確かめながらできるので落ち着いて計算できます。今日はちょっと集中力が落ちてるなあというときは、とても重宝します。
 
□時間の流れ□
これは、時間を学ぶための教材でTimeWheels(Attainment社)です。紙でできていて、手動で長針と短針を動かします。
作業や用事をしているときには終了時間を、そして次の開始時間を待つときなどに本物の時計の横に提示してあるだけで、開始時刻や終了時刻が視覚的に確認できて、グンと見通しが立てやすくなります。一日の流れやこれからのスケジュールを確認するときにも、これを使って針を動かしながら説明していくとわかりやすくなることがあります。
 
次の行動を案内する工夫
小さめのホワイトボードに、次の予定シンボル(絵カードや写真、簡単な具体物、診察券やお店の会員カードなど)と、キッチンタイマー、そしてゴートークボタン(後ろはマグネットになっている。詳しくは商品情報を参照ください。)を付けておきます。キッチンタイマーは、次の活動の始まりまでの見通しがつけられます。
そして、ゴートークボタンには次の行動に移る時、忘れてはいけない情報のインフォメーション、例えば「てぶくろをもっていこう」、「山本さんに終わりましたって言ってから、昼休み」などを音声登録しておくとよいでしょう。あるいは、大好きな人からのメッセージ「もうちょっとだよ。がんばってね」などでも、気持ちが少し元気になるための工夫としていいかもしれません。または、「○○おわりました!」や「ちょっとお願いがあります」や「△へ行ってきます」など、ちょっと伝えたい一言や質問などをメッセージとして登録しておくのも便利です。